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サン・ブノワ・シュル・ロワール修道院教会(オルレアン/フランス)

サン・ピエール教会(オーネー/フランス)

サン・ブノワ・シュル・ロワール修道院教会の柱頭に施された異形の神像は、先住のケルト民族の信仰が キリスト教に習合したことを証明するものとして、よく知られている。口から伸びている植物の長い茎から、 この像はケルトの神・ケルヌーノスであると推測されている。

ロカマドゥールは険しい岩地/フランス)

同上

フランス中部の山岳地帯、ロカマドゥールのノートル・ダム(聖母)教会は、サンチャゴ巡礼路の 1つに当たる。この地は険しい岩地で、ノートル・ダム教会は、切り立った岩壁に組み込まれるようにつくられている。
この地は先住のケルト人にとって、重要な信仰の地であった。奇岩、巨木、泉などの自然物が信仰の対象となり、 その周辺が信仰の中心地として人々を集め、町の繁栄を支えていることは世界共通の現象である。
フランスで最も有名な観光地の1つであるモンサンミッシェルもこのパターンに属している。 海岸に突出した巨大な奇岩の上につくられたモンサンミッシェル教会は、もとをただせば、ケルト(ガリア)人の信仰の拠点だった。 かの地にキリスト教が伝来したと同時に、ケルト信仰の拠点から、キリスト教のそれにかわった。
ロカマドールを歩くと、なんとなく、モンサンミッシェルと同じような空気を感じることに驚く。 土産屋が並ぶ参道のたたずまいや、店内の品揃えがケルト風デザインになっていて、 それらが似ていることはいうまでもないのだが、私には、目に見えない何か――空気というか霊気というか――が、 似ているように思える。ケルト熱に犯された錯覚・先入観と笑われるかもしれないが、 私は、両者に共通の空気を感じた。
さて、ロカマドールの聖母教会は、黒い聖母像が安置されていることでよく、知られている。その由来等については、 『黒い聖母と悪魔の謎』(馬杉宗夫著)をお読みください。