アヤソフィア博物館は、イスタンブールに残るビザンツ芸術の代表的存在だ。ビザンツ時代、6世紀前半(532年〜537年)に教会としてつくられた。ギリシア語ではハギアソフィアと呼ばれる。 爾来およそ千年にわたり、ギリシア正教の総本山として、東方キリスト教の拠点となった。
時代はくだって、ビザンツ帝国がオスマントルコの進出に屈した1454年、ハギアソフィアはイスラム教のモスクに改装されてしまった。偶像崇拝を禁ずるイスラム教の教えに従い、内部のキリストや聖人を描いた絵画等は取り払われ、外部にはミナレットが付加された。
さて、イスタンブールのモスクは、イスラム建築の区分に従えば「イスタンブール様式」
に一括される。というのも、
オスマンの制服王メフメトは、この威容を誇るビザンツ教会に驚嘆し、ハギアソフィアをモスクとして使用することを命じたばかりか、オスマン帝国におけるモスクをハギアソフィアに倣って建立することとしたのだ。このことは、オスマントルコがビザンツ帝国の破壊者というよりも継承者であることを象徴する。
政教分離を掲げる近代トルコ政府は、宗教に与しない博物館として保存・修復に努めているという。
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