31-Dec-2009
◆Napoli(No.2)
ナポリといえば、「ナポリを見てから死ね」といわれるくらい、美しいところだと筆者は思っていた。カンツォーネが流れ、豊かな海の食材に恵まれた南イタリアの港町。下町の洗濯物の風景は有名だけれど、南仏よりは庶民的なリゾート都市という感じ。

ところが、実際はそうではない。先にも書いたとおり、街中いたるところ、偽ブランド商品を路上で売るアフリカ系の人々がひしめいている。車、バイクの信号無視は当たり前、狭い路地を歩行者の脇をすり抜けて走り回る。狭い路地に絶壁のように建てられた住宅内部は電気がないのではないかと思われるくらい暗い。教会、聖堂は補修もままならず、落書きだらけで打ち捨てられている。古い建物の壁や装飾が剥がれ落ち路上に落下するため、警察が非常線を張っている。
だが、なんといっても、ナポリで気なるのが、ゴミの存在だ。ゴミが撤去されないのだ。幸い冬のため悪臭こそないものの、印象としては最悪だ。
しかし、いまはましになったほう、10年前はもっとひどかったという話。というのも、ナポリの清掃業者はマフィアとつながっていて、公共部門が清掃事業を取り仕切ることに抵抗し、ゴミの撤去作業をサポタージュしたという。さらにひどいことには、回収したゴミを駅等の公共的施設に逆にぶちまけていたのだという。つまり、ナポリを最も代表するもの、象徴するものこそ、ゴミというわけ。「ナポリのゴミを見てから死ね」。
ナポリは、カオスの都市である。

ドーモ通りから横道にそれると(スパッカ・ナポリ)、庶民的な景観に変わる。



ナポリでは「プレゼーピオ」と呼ばれる箱庭づくりが盛ん。プレゼーピオの部材を売る店も多い。
さて、蛇足ながら、12月31日のナポリは最悪である。夕方から深夜に至るまで、街中で爆竹、花火が打ち鳴らされるのだ。そのため、街は戦場のよう。レストラン、ホテルは若者の暴徒化を恐れてシャッター・ドアを閉めてしまう。夜遅くなって一人で歩きまわるのはリスクが高い。
