ロマネスク、巡礼の道
『ロマネスク美術におけるケルトの伝統』(マルセル・モロー著)という本があるらしい。 管見の限りでは日本語訳がないので読んだことがないのだが、この本の存在を知ったとき、 私は、ケルトをロマネスクとの脈略で考えてみたいと思った。
この願望を実現するには大きな困難があった。ロマネスク教会はヨーロッパに広く存在ているにもかかわらず、 どちらかというと、交通の便の悪いところに位置していて、しかも、ケルト文化とつながっている教会は散在している。 それらを独力で訪ね歩くことは、相当の日数を要する。しがないサラリーマン、ロマネスク~ケルトの伝統を探訪する 旅の実現は、定年後かと思われた。
ところが、なんと、ある旅行会社でロマネスクの教会を巡礼路に沿って訪ね歩くツアーが企画されていたのだ。もちろん、 申込みをしてみた。ただ、ロマネスク教会を訪問するようなツアーに、果たして人が集まるのだろうか。ツアーは、 一定の参加者が集まらなければ、催行されない。だが、そんな心配はまったくの杞憂にすぎなかった。 ツアーは、なんと満席で催行されたのだ。
こうして、フランスのオルレアンから、スペインのサンティアゴデコンポステラまで、 およそ3000キロの「巡礼の道」・ロマネスク教会ツアーが現実のものとなった。
2003年7月13日~27日(フランス、スペイン)

参考図書
- 『ロマネスクの美術』(馬杉宗夫著/八坂書房)
- 『ロマネスク上・下』(アンリ・フォション著/鹿島出版会)
- 『黒い聖母と悪魔の謎』(馬杉宗夫著/講談社)
- 『新書ヨーロッパ史 中世篇』(堀越孝一著/講談社)
- 『フランス史1』(柴田三千雄編/山川出版社)
