2001年12月31日から2002年1月6日まで、シンガポールに行ってきた。まさかの旅行先である。この地は、ハワイと並んで、ブランド好きの日本人がショッピングに出かけるところであって、私の旅行先の選択肢として挙がることはないだろうな、と思っていたからだ。それが、ひょんなことで、1週間前に出発が決まった。
シンガポールについては、先入観を持っていた。この国は、中国人が描く理想の国家像の1つなのだと。アジア、とりわけ中国を学の対象とする者ならば、この地の経済のあり方は(無論政治も含めて)、格好の研究対象に違いないと。もちろん、浅学の私には専門的アプローチはできないので、この国を「イメージ」のレベルで語るほかない。私の抱いていたイメージとは次のとおりである。
◆儒教という強権的なイデオロギーを背景として、しかも、監視制度、罰金制度により、街からゴミ・吸殻のポイ捨て、唾吐きを追放した国、◆華僑と呼ばれる中国人系投資家が中心になって、不動産、都市開発、金融、観光、商業等の分野への投資が集中的に行われ、経済的成功をおさめた国、◆私有財産を制限した都市計画によりインフラを整備し、公園都市と呼ばれるまちづくりを実現したところ、◆多民族国家でありながら紛争もなく、高い教育水準を維持している国・・・などになるのではないか。
わずか数日の滞在だったけれど、イメージ通りのところもあったし、そうでないところもあった。そして、なによりも印象的だったのは、やはり、この国(街)の清潔さであった。それは驚きであると同時に、不道徳な私には、「不思議な国のシンガポール」と評するほかない光景であった。
